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mallonはマロンに
- 2009/07/12(Sun) -
 
 初めてその人に会ったのはひと月ほど前のことだった。

 その頃、自分は病んでいた。痛んでいた。

 暗闇を彷徨っていた。

 愛する人を亡くし気力を失くし 

悲しみに沈んでいたのだった。

 彼女の好きだったカフェラテを持って 

お墓の前で話すことだけで日々を

 送っていた。 

昼間は忙しさに紛れて忘れていても夜になると

 楽しかった彼女との暮らしが思い出され、

 自然と涙が溢れ出てくる。 

目を閉じると鮮やかに蘇る

彼女の優しい笑顔、愛らしいしぐさ、

 あの透き通った目、自分を呼ぶ時の甘い声、 

その全てがもう、今、ここにはない。 

それでも自分は生きている。 

彼女がいた時と同じように 

生きなくちゃいけないんだ。 

そう思い毎日を過ごしていた。 

でも何か虚しい 

彼女と知り合った公園であの日と同じように 

鳩に豆をあげながら 

来るはずのない人を待ってみた。

 彼女と歩いた街を彷徨い、彼女の面影を探した。

 朝、早く起きて新幹線に飛び乗り

 遠くの町に行ってみたこともある。 

でも、どこにも彼女はいなかった。 

一度結婚に失敗して、 

年齢的なこともありこれが 

幸せになれる最後のチャンスだった。

 年は離れていたけれど 

幸せな結婚生活は2年続いた。

 なのに彼女は突然・・・

 悲しみにくれ失意のどん底にいた自分に 

親友が「ブログでも始めてみれば」と

 アドバイスしてくれた。

 何もわからないまま とりあえず始めた。

 書く事なんて何もない 

ただ日常の事、自分の事、彼女の事。

 一日5回も6回も一言だけでも 

記事にして書くことで 

今の自分の存在を確かめていた。

 そんな時だったその人のブログを見たのは・・・ 

その人はお父さんの命日のことを 記事にしていた。

 自分は明日もお墓参りに 行くつもりだったので 

その人のところに一言コメントをした。 

その人は自分のブログに来てくれて 

まだ始めて3日目だった自分の記事を 

全部見てくれて励ましのコメントを残してくれた。

 その人も病んでいた。 

精神的に追い詰められていた。

 自分のブログに来ると気持ちが安らぐ 

と言ってくれて自分が更新した記事すべてに

コメントしてくれた。 

ファンも友達もいなかったので

 いつしかその人に向けた記事を通して 

話しかけていた。 

数日後、ファンがいない自分に 

「友達第1号にしてください」と、

ファンポチしてくれた。

 誕生日には派手にゲストブックを飾ってくれたり 

落ち込んでいる自分に 

元気になれるような記事を作ってくれて 

励ましてもくれた。 

嬉しかった。感激した。 

でも彼女のいない隙間を 

埋めることは出来なかった。 

今まで規則正しい生活をしていたが

 夜になると彼女のことを思い出し 

眠れなくなりだんだん生活が乱れていった。 


 

ある日、いつものように近所の神社に散歩に行くと 

やせ細った野良犬が自分に近づいて来た。 

鳩にあげるために持っていた豆をあげると 喜んで食べた。

 お腹がすいていたんだろう 帰ろうとすると付いて来た。 

豆をまとめて置いて食べている間に 走って逃げてきた。 

夕方、住んでいるマンションの外に出てみると 

植え込みのところにさっきの犬が うずくまっていた。 

夏とは言え痩せた犬には 植え込みで寝るのは辛いだろうと 

自分の毛布を持ってきて置いてやった。 

このままじゃいずれ保健所で処分されてしまうだろう 

かと言ってこのマンションはペット禁止で 

飼う事が出来ない。

 前に駐車場で犬を飼っていた人が 

いたことを思い出した。

 明日、朝、管理人さんが来たら聞いてみよう 

と思いブログにそのことを書いたら 

その人は喜んでくれて 

「じゃぁ、名前を付けなくちゃ!mallonなんてどう?」

 と、コメントがあった。 

その人のブログ名であり、 

死んだ愛犬の名前だった。 

「マロン」に決めた。

 次の朝早く、管理人さんにお願いしてみると 

駐車場1台分の月々の費用、 

犬小屋設置、近所には迷惑をかけない 

の条件のもとに許可がおりた。 

さっそく、犬小屋を買いに行き 

マロンのための全ての必需品を揃えた。

 マロンは自分には良くなついた。 

可愛くて賢い犬だった。 

でも野良犬だったためか 

他の人や他の犬には怯えていた。

 ブログでmallonさんが 犬の飼いかた、

食べ物 躾け、良い病院へ連れて行って 

検査、予防注射などの事を教えてくれた。

 病院で検査をしてもらうと 

マロンは2才くらいのメスで 

栄養失調はあるが他には問題はなかった。 

予防注射もしてもらった。 

マロンが来てから毎日が楽しくなった。 

ご飯を持って行くと鼻を摺り寄せてきて甘えた。 

朝、晩の散歩が楽しいものになった。

 生活が変った。生きがいが出来た。 

マロンの中に亡くなった彼女の魂が

 宿っている気がして・・・ 


 

ご本人の了解を得て記事を作成しました。 

多少の想像はありますがすべて事実です。 

ママはmallonがマロンちゃんになって 

生きてくれているようですっごく嬉しいです。

 長い文章の最後までお付き合い頂いて ありがとうございました。 

 ♪Nostalgy 
 
 

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